【劇用車】JR120 いすゞ ピアッツァ|廃番エアコンコンプレッサーの内部焼きつきがオーバーホール修理で復活!
【劇用車】JR120 いすゞ ピアッツァ|廃番エアコンコンプレッサーの内部焼きつきがオーバーホール修理で復活!
エアコンのスイッチを入れた瞬間、ヒューズが飛ぶ。
そして、うんともすんとも言わないコンプレッサー。
今回は、JR120型 いすゞ ピアッツァの劇用車整備中に起きた、
旧車ならではの“厄介なトラブル”を整備士目線でご紹介。
調べてみると原因は、エアコンコンプレッサー内部の焼きつき。
しかもこの型番、すでにメーカー廃番。
交換パーツが手に入らない中で、どう復活させたのか——。
現場のリアルな修理記録です。
症状:エアコン作動でヒューズが飛ぶ
最初の症状は「エアコンONで即ヒューズ切れ」。
電装系統を追っていくと、原因は「コンプレッサー内部のロック(焼きつき)」でした。
クラッチが回らず、通電時に過電流が流れてヒューズが飛ぶ典型的なケース。
この状態で無理に電源を入れると、他の電装部品にも負担がかかるため要注意です。
作業:コンプレッサーの取り外し
原因を探る為にはコンプレッサーを車から取り外し、分解点検をする必要があります。
しかし、これが大変な作業です。コンプレッサー周辺には様々な期間部品が装着されているため、
まずはそれらを取り外しスペースを確保。
次にコンプレッサーを固定しているボルトを外しますが、狭いスペースで固いボルトを回すのは至難の業です。
ようやく外れたコンプレッサーを専門業者に点検を依頼します。
原因:コンプレッサー内部の焼きつきと潤滑不良
業者にて分解してみると、内部のピストンと軸受けが焼きついて動かない状態でした。
長年の使用でオイルが乾き、摩擦熱が発生していたようです。
さらに、ピアッツァの純正コンプレッサーは既に廃番。
リビルト部品も無く、「オーバーホールによる再生」が唯一の解決策でした。

無事オーバーホールされ新品同様に生まれ変わったコンプレッサーを再び車両に取り付け。
外すのが大変だった物は取り付けるのもまた大変ですが、
取り付け後はヒューズ飛びも解消し、エアコンがしっかり冷える状態に復活。
冷風が吹いた瞬間、思わず「やった!」と声が出てしまうほどの達成感でした!
今回のように、旧車整備では「部品がない=直せない」ではなく、「どう蘇らせるか」が勝負です。
特に劇用車の場合、
撮影中にエアコンが効かないと撮影環境にも影響が出ます。
だからこそ、整備士の技術と工夫が車を再び舞台へ戻す鍵になります。
原田商会では、JR120ピアッツァをはじめ、
1980〜90年代の国産車を中心とした
旧車・希少車の劇用車レンタルを行っています。
整備士が一台ずつ徹底点検・整備を行い、
撮影現場で安心して使用できる状態でお貸し出し。
作品に “時代の空気” や “物語の深み” を添えたい際には、
ぜひ原田商会にご相談ください。


