原田商会

1935年に日産から発売され、2002年に国内向け生産が終了するまで10代に亘って時代を歩み、国内向けの商用車としては最も歴史の長い商標を持つダットサントラック。
その7代目として1972年に発売されたのがこの620型である。

620型は商用車とは思えないほどスタイリッシュなデザインになっているのが特徴だ。
北米市場を意識したテーマで開発され、ショルダー部のウイングラインと名付けられたキャラクターラインなど従来以上に北米市場への強さが感じられる。

北米ではピックアップトラックを仕事だけでなくレジャー用として使う文化があったことから、日本の性能や信頼性に加えて、こうした充実した装備を兼ね揃えた620型はリル・ハスラー（小さな労働者）の名で狙い通り北米市場でヒットした。

上記のような用途の違いから国内モデルと北米向けとではスペックが大きく異なっている。
国内モデルは先代520型と同様にJ13、J15型のオースチン系OHVエンジンとMTの組み合わせであるが、一方で北米向けはOHCのL16、L18、L20B型エンジンを搭載し、さらにオプションでATが用意されている。