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【劇用車紹介】その15 トヨタ MR2

【劇用車紹介】その15 トヨタ MR2

「トヨタには将来、常識では考えられない一味違ったクルマがあってもいいのではないか」
今回紹介する役車は先述した当時のトヨタ社長の一言から開発が始まり、のちにカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した、トヨタのMR2です。

MR2の歴史は発売の前年1983年に遡ります。この年に開催された第25回東京モーターショーにおいてトヨタから「SV-3」という名称の試作車が出展されました。その仕様をほぼそのままに、名前を変更して翌年1984年に正式デビューしたのがこのMR2です。

MR2最大の特徴は日本車初となるミッドシップ車であることです。
通常の車は前にエンジン、後ろにトランクがあるというつくりですが、ミッドシップはその逆でエンジンを後ろに積んでいます。こうすることで運転性能上、通常車に比べてよりスポーティな走行を目指したのです。 こうした性能面や後ろからエンジン音が聞こえるワクワク感などから車好きを中心に愛されました。

MR2はデビューしたその年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。さらに1985年には北米でもカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し日本のみならず世界中でMR2が注目されました。
MR2の名前の由来は「Midship Runabout 2sheater」。ミッドシップ方式の2人乗り小型車という意味です。文字通り室内はみっちり運転席と助手席分しか確保されていません。そのためリクライニングを倒してゆったり…ということはできませんが、室内には色々なところに小物入れがあります。
ちなみに当社のMR2のシフトノブは純正ではないものの、当時物であるTRDシフトノブをつけています。

ミッドシップ車は構造上、荷室の確保が難しいというポイントがあります。しかしMR2はフロントとエンジン後部の2箇所に荷室が設けられています。通常車のように大きな荷室がドンと確保されているというタイプではありませんが、フロントはスペアタイヤ2つ、エンジン後部はゴルフバッグ2個が収納できるほど十分な広さが確保されています。思っていたより結構深さがある印象です。

YouTubeには当時のCMもありました。「背中には2人を酔わせるハートがある」というキャッチコピーとフランスの歌手Saphoさんの歌がオシャレでかっこいい印象を与えます。

ちなみにMR2のトレードマークともいえるエンブレムですが実は伝統工芸の1つである七宝焼が使用されているんです。後にプラスチックに変更されたことから七宝焼エンブレムは現在もレアものとして取引されています。